整骨院・接骨院で施術を受ける場合、病院や診療所の治療と違い、健康保険が「使えるもの」と「使えないもの」があります。
施術を受ける際には、柔道整復師へのかかり方を正しく理解したうえで、負傷の原因を正確に伝えて施術を受けるようにしましょう。
【柔整リーフレット】適正な療養費を申請するための3つのポイント
関節等の可動域を超えた捻じれや、外力によって体の組織が損傷を受けた状態を指すもの。内科的原因による疾患や慢性的な疾患は含まれません。
整骨院・接骨院で保険適用となる施術と言われても、審査により保険適用外と判断された施術について、あとから自己負担額以上の支払いを求められる場合があります。
「整形外科」とは医師が骨、関節、筋肉、腱、手足の神経、脊椎・脊髄の治療を行います。
診療による理学所見とX線(レントゲン)、MRI、CT、血液検査などをもとに診断し、病状や病態にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーション等で治療するところです。
「整骨院・接骨院」とは柔道整復師が冷罨法(冷やす)、温罨法(温める)、物理療法等の施術を行います。外傷による打撲や捻挫に対する施術と、骨折・脱臼の「応急処置」が業務範囲です。
整骨院・接骨院は「手当」がメインで整形外科は「治療」がメインとなります。
けがの内容を正確に伝えてください
いつ、どこで、どのようにけがをしたのか、具体的に伝えてください。労災の手続きが面倒だからといって、虚偽の報告をしても罰せられることもあります。仕事中や通勤中のけがの場合は労災の申請手続きをお願いします。交通事故や第三者行為によるけがの場合は健康保険組合へ必ず連絡をお願いします。
申請書は必ずご自身で確認してサインを
負傷原因、負傷名、日付、日数、部位、金額等をよく確認し、署名欄にサインをしてください。施術に関する内容が記載されていない白紙の申請書には署名しないでください。
領収書は必ず受け取ってください
柔道整復師での領収書無償発行が義務付けられています。領収書は必ず受け取り保管しておきましょう。金額に相違のある場合は、健康保険組合へご連絡をお願いします。
長期施術や症状の改善がみられない
長期にわたり施術を受けても症状の改善がみられない場合、内科的な病気など、別の原因の可能性があります。医師による診察を受診されることをおすすめします。
柔道整復師へのかかり方を正しく理解し、適正な受療をされますよう、ご協力をお願いいたします。
施術部位・回数の水増し
必要な施術以外の部位を追加して施術を行なったことにし、過剰に保険請求する(過剰請求)。例えば、肩の打撲で来院した患者に対し、首や背中も施術したことにして請求する。また、実際には来院していない日を「来院した」と虚偽記載し、通院日数を水増しする。
受傷理由の改ざん
本来、保険適用外の慢性的な症状(肩こり、慢性腰痛など)を、急性外傷(打撲、捻挫)のように偽って請求する。
部位ころがし(部位転がし)
同一患者において、負傷と治癒を繰り返すように見せかけながら、施術部位を変えることで通院期間を不正に延長し続け、療養費を請求する。
健保組合としては皆様の保険料を適切に使用するため、これらの不正請求を排除することに努めています。 施術内容等について文書または電話で照会させていただくことがありますので、ご協力をお願いします。
適正な保険給付を行うため、健保組合から施術内容や負傷原因などの照会をさせていただく場合があります。
その際は、領収証や明細書、施術の記録(負傷部位、治療日、治療内容など)をもとに、ご自身で記入し、期日までにご提出をお願いします。
受診照会にご回答いただけない場合は保険給付ができない可能性があります。 「保険者の求めた文書、物件の提示、質問または診断に対し、これに従わずまたは拒んだときは、保険給付の全部または一部をおこなわない」(健康保険法59条、121条より一部抜粋)
また、長期にわたる施術を受けられている方は、電話や実地調査にて施術内容を確認させていただく場合がありますので、ご協力くださいますようお願いいたします。
長期にわたり整骨院・接骨院を通院されても症状の改善がみられないときは、医師による治療が必要な傷病や重症化が懸念されます。医療機関(病院・医院等)で詳しい検査を受けることをおすすめします。